
こんにちは、primeNumberです。
primeNumberのポッドキャスト「素数ラジオ」のブログ版、今回はイノベーション本部でPdM(プロダクトマネージャー)として活躍されている鳩さんとニティヤさんに、これまでの経歴やお仕事のやりがい、そして1年間で110本超のコネクタをリリースした大規模プロジェクト「CONNECT 100+」の舞台裏についてお話を伺いました。
月に8〜9本のコネクタをリリースするという、スピードと品質の両立が求められる挑戦的なプロジェクト。「無理じゃない?」というスタートから、どのようにして目標を達成したのか。二人のPdMが語る、チームで目標をつかんだ軌跡をお届けします。
番組の本編についてはぜひポッドキャストでお楽しみください。
- エンジニアからPdMへ。2人のキャリアパス
- EL Enhancementチームの役割とは
- 新たに100以上のサービスとTROCCOを連携させるプロジェクト「CONNECT 100+」
- 月8本のリリースを実現した舞台裏
- 効率的にコネクタをリリースするために「やらないこと」を決めた
- SAPやZoomなどの印象深いコネクタ
- 110本超の成果を通じてお客さまの満足度を向上
- 新しいユースケースを通じてデータの可能性を広げたい
エンジニアからPdMへ。2人のキャリアパス
――まず簡単に自己紹介をお願いできますか。
鳩:イノベーション本部のTROCCO PdMチームでプロダクトマネージャーをしています。TROCCOのコネクタ部分の開発を担当する、EL Enhancementチームです。
ニティヤ:鳩さんと同じく、イノベーション本部でTROCCOのプロダクトマネージャーとして、EL Enhancementチームを担当しています。
――お二人ともずっとPdMというキャリアを歩んでこられたのですか。
ニティヤ:私は大学卒業後、エンジニアとしてキャリアをスタートしました。徐々にPdMの仕事が増えていき、この1年ほどはさまざまなプロダクトのPdMを担当しています。気づいたらPdMの仕事をしていた、という感じですね。
鳩:私はエンジニア歴の方がPdM歴より長く、primeNumberに入社してから初めてPdM職として専任で働くようになりました。前職では技術広報を担当していて、ソフトウェアエンジニアとして開発をしながら技術広報もやっていました。
ポジションとしてはいろいろ変わってきましたが、本質的にやっていることはあまり変わっていないと感じています。技術広報もPdMも、プロジェクトのマネジメントや企画力が必要になる点で、本質的には似ているんです。

EL Enhancementチームの役割とは
――EL Enhancementチームというのは、どんなことをやっているチームなんでしょうか。
鳩:TROCCOのデータを転送するコネクタを開発しているチームです。TROCCOはクラウドETLサービスですが、その中のEL部分、つまりデータをExtractしてLoadするコネクタ部分の開発をメインで担当しています。新しいコネクタの開発だけでなく、既存コネクタの改善も継続的に行っています。
――エンジニアとしての経験が、現在のPdMの仕事に活きていると感じることはありますか。
ニティヤ:ありますね。特にTROCCOのコネクタ周りを担当する際は、ある程度技術的な知識がないと大変です。使っている言語やシステムは変わってきますが、エンジニア時代に培った技術的なベースは、今のPdMとしての仕事に大いに役立っています。
新たに100以上のサービスとTROCCOを連携させるプロジェクト「CONNECT 100+」
――そもそも「CONNECT 100+」とは何でしょうか。
鳩:2024年の01(現primeNumber DATA SUMMIT)で発表された、連携先のサービスを100以上増やすという意欲的なプロジェクトです。既存のTROCCOの連携先以外に、会計や人事、決済といった基幹業務系のSaaSやサービスなど、新しいユースケースのニーズが増えてきていました。こうしたニーズにこたえ、新たに100以上のサービスとTROCCOを連携させることを目標に始まったプロジェクトです。
――プロジェクトの立ち上げは大変だったのではないですか。
鳩:そうですね、100+が始まってから、検証環境の準備や交渉を通常のコネクタ開発より大幅に短縮する必要があることが分かったのですが、連携先企業との打ち合わせや、先方の社内フローや規定の確認など、私たちの都合で短縮できない部分も多くあります。同時並行で調査を進める必要があることが分かった時点で、私がそのハンドリングやマネジメントを担当することになりました。
プロジェクト当初はさまざまな課題がある状態で、その整理がとても大変でしたね。
ニティヤ:私は当初はグローバル展開を主に担当する予定でしたが、コネクタ開発を100+と一緒に進めた方が良いということで、プロジェクトに途中から参加しました。鳩さんがおっしゃったように課題が山積みで、スタートが遅れてしまっていたんです。11月に「1年間で100本出します」と宣言したのに、チームが揃ったのが1月。最初の2ヶ月は2本しかコネクタを出せていない状態でした。
「一体どうするんだ」という状況でしたが、鳩さんに入っていただいて整理・体制作りをしていただいてから、スピードがどんどん上がっていきました。
月8本のリリースを実現した舞台裏
――お2人は仕事で一緒に働くことが多いのですか。
鳩:ニティヤさんが入社したとき、私がメンターとしてオンボーディングを担当しました。その後、CONNECT 100+に一緒に取り組むことになり、入社からほぼずっと一緒に活動しています。
――どのように役割分担されているのでしょうか。
鳩:私は元々PMMチームに所属していたこともあり、パートナーアライアンス関連を主に担当しています。コネクタの接続先企業との調整や交渉、協力関係の構築などですね。ニティヤさんは仕様策定を担当しています。
――検証環境の交渉は大変だったのではないですか。
鳩:100+は非常にボリュームの多いプロジェクトでした。1年がかりで100本のコネクタを追加するという目標なので、単純計算で月に8〜9本のコネクタをリリースする必要があります。
常に10本分ほどの案件が並行で進んでいる状態で、コンテキストスイッチやマルチタスクの管理が特に大変でしたね。
ニティヤ:検証環境の確保もかなりボトルネックになっていました。環境がなければ検証もできず、開発にも入れません。週に複数の案件を並行して進めながら、先方とのやり取りを行う必要があり、かなりマルチタスクなプロジェクトでした。鳩さんと「ここは私がリードします」「ここは鳩さんお願いします」とやり取りしながら進めていきました。

効率的にコネクタをリリースするために「やらないこと」を決めた
――日本のサービスと海外のサービスで、検証環境の交渉に違いはありましたか。
鳩:海外サービスの方が開発環境もオープンで、検証を進めやすいのですが、サードパーティーがAPIを利用するためのクライアント認証アプリケーションを公開する際は、審査手順が厳しかったり、テクノロジーパートナーの契約手順が厳密だったりと、別の大変さもあります。
一方、国内サービスの場合、ドキュメントを一般公開せず、ユーザーにしか提供していないケースも多いためAPI仕様が分からず、そもそも接続可能かどうかを確認するところから始める必要があり、きちんとテクノロジーパートナーとして検証環境やドキュメントを提供していただく交渉が必要になります。
――このプロジェクトの大変だったところ、やりがいを感じたところを教えてください。
ニティヤ:特に海外サービスの場合は実装後の手続きに時間がかかることが大変でしたが、それを乗り越えてリリースできたときの達成感は大きかったです。一見簡単そうに見えても、実際に進めてみると想像以上にハードルが高いサービスもあり、そういった経験を通じて学ぶことが多く、やり切った時の喜びがありました。
鳩:このプロジェクトで特に意識したのは、いかに効率的にコネクタをリリースするサイクルを確立するかでした。無駄を省いてスピードを上げるため、「やらないこと」を決めることに真剣に向き合いました。
開発は二人三脚に例えられます。人数を増やせばスピードが上がるわけではなく、むしろ足をつながれた状態なので、新しいメンバーを追加すると一時的にスピードが落ちることもあります。そういった中で、多くの関係者と認識を揃えながらスピードを出していくのは挑戦的でした。
振り返ってみると、工夫や苦労は本当に多かったですが、開発に携わる者として学びも多く、チーム全体で目標を達成できたことが何より喜ばしかったですし、開発がすごく楽しかったです。
SAPやZoomなどの印象深いコネクタ
――特に思い出深いコネクタはありますか。
ニティヤ:個人的にはSAPですね。一番最初のプロジェクトで、そもそもTROCCOの仕様もあまり分かっていない段階で、環境の準備から始めたというところがかなり印象に残っています。SAPのコネクタをリリースしたことで「Enterprise Offering」という新たなソリューションが生まれ、すでに使ってくださっているお客様もいらっしゃることも、すごく良かったです。
鳩:100本もあれば、業務で普段使っているサービスだけでなく、業務で使っていないサービスも調査・仕様策定する必要がありました。SAPもprimeNumberで使っているわけではないので検証環境の整備にも時間がかかったのですが、そんな中でもニティヤさんやチームのメンバーがSAPのYouTube動画やチュートリアル、本を通じて、情報をまとめていた姿も印象に残っています。
ニティヤ:SurveyMonkeyやZoomも印象に残っていますね。
鳩:そうですね。海外サービスのアプリ公開申請、つまりサードパーティ製のツールがAPIアクセスを代理で認証できるようにするための手続きがあるのですが、SurveyMonkeyとZoomはそのためのやり取りが多かったんです。
ニティヤ:コネクタの実装は完了していたのに、アプリ申請の承認待ちでリリースできない状態が数ヶ月続くといったこともありました。かと思えば急に先方からの回答が早くなり、次の週にはリリースできるといった話になることもありましたね。
110本超の成果を通じてお客さまの満足度を向上
――プロジェクトの成果について教えてください。
鳩:10月末までにリリースしたコネクタが90本以上、11月に入ってからリリースしたものを含めるとコネクタだけで100本ほどになります。さらに、転送元カスタムコネクタ(旧Connector Builder)を使った実装事例のブログ記事も13本ほど公開しました。これらを合わせると、110本を超える成果になっています。
――達成してみて、お客さまからの反響はいかがでしたか。
ニティヤ:正直「無理じゃない?」というところからスタートしたプロジェクトだったので、達成できたことがチーム的にも会社全体的にも驚きでした。
お客さまからも良いフィードバックをたくさんいただいていて、「今後こういうコネクタはリリースされるんですか」という問い合わせも増えました。そういった要望を優先して先に開発することもできましたし、営業やCSの方々を通じてお客さまにリリースしたことを報告した時の反応も良かったです。ユーザーの満足度が上がったと感じています。
また、Connector Builderの事例記事を見て試してくださったお客さまもかなりいて、やはりこういった記事はちゃんと出すべきなんだと感じました。
鳩:このプロジェクト、IT業界の知り合いからもかなり反応いただきました。「え、100本もコネクタ作るの? API連携作るの?」と驚かれることも多かったです。
特に嬉しかったのは、DATA SUMMITのネットワーキングパーティーでユーザーさんとお話した際、「TROCCOのコネクタの選定のセンスがいい」と言っていただけたことです。PdMが優先順位をつけたり、サービスを調査している努力がユーザーさんに届いているんだなと実感でき、驚きとともにすごく嬉しかったです。
――選定はどのように行っているのですか。
鳩:海外サービスに対するコネクタの場合、他のETLツールで人気があるものや、海外市場でよく使われているSaaSをニティヤさんが調べて選定しています。
国内サービスに対するコネクタの場合は、市場でシェアが高いものをリストアップし、ユーザーさんからのこれまでの要望の数や内容を見て、優先度を比較して選定していきます。
また、新しい領域で、新しいユースケースを見つけていきたいという戦略もあったので、「経理会計部門のデータを使って分析をしたい」「人事データを使って分析をしたい」といったように、ジャンルごとにSaaSを並べて選定も行いました。
新しいユースケースを通じてデータの可能性を広げたい
――プロジェクトが終わった今、近々取り組んでいることや、チャレンジしてみたいことはありますか。
ニティヤ:マーケットとしてニーズがあるのに100+で対応できなかったものについて、今は優先度をつけて対応しています。さらに、100+でリリースしたコネクタの改善にも取り組んでいます。
鳩:ユーザー企業側での取り組み、つまりデータをビジネスの力に変えていくこと、新しいユースケースや新しい使い方でデータ分析・データ活用をしていくところを、primeNumberとしても営業やCSと一緒にサポートしていきたいです。そして、そうしたユースケースを他のユーザーにも共有することで、データの可能性をさらに広げていきたいと考えています。
多くの人々のやり取りや苦労の積み重ねから、ひとつの機能やコネクタが生まれているいうことを、お2人のお話から感じていただけたのではないでしょうか。
細かな分析や選定の積み重ねがお客様にとって価値あるサービスにつながり、そして今後もお客様と一緒に新しいユースケースを作りながら、より価値を広めていく。そんな未来に向けて、primeNumberは歩み続けていきます。
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