【CIOインタビュー】データを使いたい人がつまずかない世界を。山本さんが語るデータ基盤の意義とprimeNumberの目指す姿

こんにちは、primeNumberです。

今回はprimeNumberの取締役執行役員CIO山本健太さんに、創業10年を迎えたいま、主力製品であるTROCCOとCOMETAが目指す方向性やデータ基盤の意義、そして3事業体制のもとでプロダクト事業が担う役割についてお話を伺いました。

primeNumberは10周年を経て第三創業期へ

――自己紹介をお願いします。

取締役執行役員CIOを務めております山本健太です。CIOはチーフイノベーションオフィサー(Chief Innovation Officer)の略で、データテクノロジーに関するSaaSプロダクトの事業推進およびR&Dの領域を統括しています。

代表の田邊と共同創業者として会社の設立から事業を推進してきました。長らくプロフェッショナルサービスというコンサルティングの領域をリードしていましたが、2025年の夏頃からプロダクト事業全体の統括という立場に移っています。

CIO山本さん。primeNumber DATA SUMMITにて登壇した際の写真

――2025年11月に創業10年を迎えましたが、いまの率直な感想を聞かせてください。

会社の景色がかなり変わってきたと実感しています。

primeNumberの立ち上げ当初は受託開発が中心で、SaaSプロダクトありきで立ち上がった会社ではなかったのですが、シリーズAの資金調達前後でTROCCOをリリースしたことが最初の転機でした。

そしていま、primeBusinessAgentをはじめとしたAIソリューションやマルチプロダクト、AIを活用したプロフェッショナルサービスなど、事業の建て付けが大きく変わりつつあります。いわば、第三創業期ともいえるタイミングに、ちょうど10年目が重なったという感覚があります。

――事業が今期(2025年11月〜)から3つに分かれたことも大きな変化かと思いますが、その背景を教えてください。

私たちは「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える」というコーポレートビジョンを掲げています。ただ、データを利用する人を支援しようとするとほぼ全企業が対象になってしまうため、サービスの目指すべき姿を絞れません。そこで、お客様をセグメンテーションし、それぞれのお客様に適切なサービスを提案していこうという考え方のもとで3事業体制に移行しました。

セグメンテーションの軸は二つあります。一つは企業規模、もう一つはユーザーがIT部門の方々かLOB(事業部門)の方々か、という切り分けです。この二軸で考えたとき、エンタープライズのお客様を中心に支援するプロフェッショナルサービス事業、IT部門の方々向けにTROCCOやCOMETAを提供するプロダクト事業、そしてLOBの方々向けにprimeBusinessAgentを提供するAIソリューション事業という3つに整理しました。

データ準備の摩擦をゼロに。データ基盤の重要性とイノベーション本部が担う役割

――山本さんが統括されているイノベーション本部は、どのような組織なのでしょうか。

イノベーション本部はTROCCOやCOMETAといったデータテクノロジーのSaaSを活用して「データ基盤」の整備や運用を助け、お客様がデータ活用によって得られるビジネス価値を最大化する、というミッションを持つ組織です。

本部内にはプロダクトマネジメント、セールス、カスタマーサクセス、サポート、デザインといったチームがあり、一丸となってプロダクト事業を推進しています。加えて、R&Dを担う「データイノベーション推進室」という役員直下の組織も見ています。以前は生成AIを中心とした最新技術のプロトタイピングや初期検証を担っていましたが、最近はprimeBusinessAgentや周辺のAIソリューションの開発・提供にフォーカスした活動を行っています。

――「データ基盤」という言葉にまだ馴染みの薄い方もいます。改めて、データを活用する上でデータ基盤がなぜ重要なのかを教えてください。

toBのビジネスでも顧客データは何万件、toCなら何百万件、行動履歴は数千万件になるのが普通ですが、分析するためにその全量を解釈するのは、人にもAIにも不可能です。「このユーザーに絞って行動を見たい」「購買の傾向を見たい」といったことがすぐできる環境があるかないかで、データ活用までの距離と時間がまったく異なります。

データ準備の摩擦をゼロにしていく、その最も重要な技術がデータ基盤だと思っていますし、TROCCOやCOMETAはこのデータ基盤を構築、運用する手助けをする、そんなサービスです。

収集から活用まで、データを扱う全ての人の右腕となる「TROCCO」と「COMETA」

――TROCCOについて、そのコンセプトと目指す方向性を教えてください。

TROCCOは各種データを組み合わせ、整理し、活用まで繋げる、「データオーケストレーション」を担うサービスだと思っています。

データの入口となるデータ収集から、出口となるダッシュボードやアプリケーション等を通じて人にアクションを促すシグナルを与えるところまで、一貫して管理できることがTROCCOの強みです。データを活用したい人やその仕組みを作る人の右腕として、やりたいことを躓かずに実現できるようにする、そんなサービスを目指しています。

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――エンタープライズ領域への対応も進んでいますね。

はい、ここ最近エンタープライズで求められる機能の拡充にはかなり力を入れてきています。基幹データの分析ニーズにスピーディーに応えていくというのは、企業規模に関わらず普遍的なテーマです。元々大きなニーズがあった領域に対して、私たちがカバーできる範囲がさらに広がったことで、改めて向き合えるようになりました。

また、データの消費者はこれまで人が中心でしたが、AIも日常的にデータを参照し、自律的に分析することが当たり前になりつつあります。人にもAIにも優しいデータ環境を支える、そんなサービスとして展開していくことが、当面フォーカスするポイントだと思っています。

――もう一つの主力製品、COMETAについても教えてください。

COMETAは「AIデータプラットフォーム」というタグラインで展開しているサービスです。主な機能は二つあります。一つはデータカタログ機能で、データウェアハウス上の各テーブルやデータがどういう意味を持つかという情報を整備するものです。もう一つはそのメタデータを活用した自然言語分析で、AIに自然言語で問いかけると正しいデータを分析して返してくれます。

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――どのような方が利用しているのでしょうか。

ユーザーの裾野は広く、特に自然言語分析については、日常的にSQLを書いているデータアナリストはもちろん、事業部門の方も、様々な切り口で自らデータを見に行けるようになります。

私が統括するチームでも、セールスマネージャーが毎日COMETAで商談履歴や営業活動状況を分析して次のアクションを考えていますし、プロダクトマネージャーもサービスの利用状況をCOMETAで分析して改善の種を探す活動を日常的に行っています。

「SaaS is Dead」時代に、SaaSやユーザー企業はどうあるべきか

――「SaaS is Dead」という言葉がメディアを賑わせています。primeNumberとしてはどう捉えていますか。

私たちをその文脈での「SaaS」として括るのは少し異なると考えています。私たちはAIが働きやすくなる環境を作る側なので、AIとは相互補完の関係です。

「SaaS is Dead」の議論で言うと、SaaSが築いてきた競争優位はGUIだけではありません。ある業務に対して最適化されたデータの持ち方をしているからこそ、ベストプラクティスを比較的安価に提供できる。それはどの業界向けのSaaSでも強みであり、その価値は失われていないというのがフラットな見方だと思います。

ただ、そういった観点での強みを磨き込めていないサービスは見直しを図られるとは思います。課題解決の範囲が小さいポイントソリューションは、AIで内製した方が良いという判断になるでしょう。より複雑な課題、より大きなスコープに向き合っているかどうかが、各SaaSの分水嶺になってくると思います。

――ユーザー企業の立場から考えると、内製するかSaaSを使うかはどう判断すれば良いでしょうか。

インターフェースはどんどん境目がなくなってきていて、画面で触ろうがAIで触ろうがどちらでも良い世界になりつつあります。多くのSaaSがこれまで引き受けてきたジョブというのは、運用・保守、安定性、機能改善を一元的に行い、全ユーザーがその恩恵を受けられる仕組みです。それをAIのアシストを得たとしても各社が自前でやるのは、世界全体で見たときに非効率です。

各社共通で取り組んでいることは既製のサービスを使う方が安くて品質も高い。一方、自社のコアビジネスに近い業務は内製化した方がノウハウが蓄積されて質も高いものができる。事業のコアに近いか遠いかで選んでいくのがあるべき姿だと思います。

IT部門をはじめとした技術者が、社内ビジネスの構造を正しく理解し、どこが自社の強みかを見極める目利き力がますます重要になってきています。

データを使いたい人がつまずかない世界へ

――最後に、プロダクト事業を通じてどんな世界を実現したいか、その想いを聞かせてください。

「あらゆるデータをビジネスの力に変える」という全社ビジョンに、私自身も深く共感しています。データが日常的に、使いたい時にすぐ手元にある、そんな環境を作ることに挑戦し続けていきます。

その先にある世界として、日本中・世界中のあらゆる企業にとって、ビジネスインフラともいえる存在になりたいと思っています。さまざまな企業の成功の裏側に、データという観点でprimeNumberが支えている、そういう存在になることが私たちの目指すものです。

――ありがとうございました!

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