
こんにちは、primeNumberです。
今回は株式会社船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング DX部 Opsグループ マネージャーの鈴木凌さんに、データエンジニアになったきっかけやコミュニティとの関わり、そして自社でのデータ活用推進についてお話を伺いました。
インサイドセールスとしてキャリアをスタートさせた鈴木さんが、なぜデータの世界に足を踏み入れたのか。コミュニティで学びを積み重ねた経験が、どのように社内のデータ活用推進につながっているのか。鈴木さんのキャリアから、データ活用の実践まで、詳しくお話を伺いました。
インタビューの模様はポッドキャストでも配信しています。
- インサイドセールスからデータエンジニアへ。「課題が先にあった」からこそ続けられた
- コミュニティが独学エンジニアの「師匠」になった
- 「隣で一緒に仕事をする」がビジネスサイドのデータ活用を加速させる
- 合併後の全社展開へ。「困っている人を探す」ことが普及の近道
インサイドセールスからデータエンジニアへ。「課題が先にあった」からこそ続けられた
――まず、簡単に自己紹介と御社の事業内容をご紹介いただけますか。
船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティングにて、データ基盤管理チームのマネージャーを務めている鈴木です。もともとインサイドセールスを担当していたのですが、だんだんと職種の軸足を移して、現在はDX部で勤務しています。
弊社はHR Forceという会社と、船井総研の人的資本経営支援本部が合併する形で、2026年1月に設立した新会社です。社名が示す通り、HR領域のコンサルティングを主に手がけています。
――インサイドセールスからデータの世界へ、というのは大きなキャリアチェンジですね。どんなきっかけがあったのでしょうか。
きっかけはシンプルで、営業活動をより効率的に進めたいという思いからでした。私は合理主義なところがあって、Salesforceをきれいに整備すればみんながより効率的に業務を推進できると考え、インサイドセールスのかたわらデータ活用の世界に足を踏み入れていきました。そこから少しずつ領域を広げ、気づけば全社のデータ基盤を統括する立場になっていました。
――プログラミングの知識もゼロからのスタートだったとのことですが、壁はありませんでしたか。
確かに分からないことは多かったのですが、解決したい課題が先にあって、その解決に必要なものを実践の中で身につけていくことで、何とか前に進んできました。

コミュニティが独学エンジニアの「師匠」になった
――どのように知識を積み上げていったのでしょうか。
会社にとって一人目のデータエンジニアだったので、社内で教わる環境はありませんでした。そこで学ぶ場として選んだのがコミュニティです。コロナ禍でオフラインイベントがほぼ開催されない時期だったこともあり、最初はXで見つけたオンラインセミナーにたくさん申し込んで、何を言っているか分からなくても聞き続け、分からない言葉をメモして調べる、という地道なことを繰り返していました。
――分からないことを分からない、と認識する所からスタートしたんですね。
そうなんです。そもそも調べる単語すら分からないので、まずイベントに参加することで「こういう言葉があるらしい」と気づく。それを調べて、自社に関係があるかどうかを判断する。その積み重ねで、少しずつ全体像が見えてきた感じです。
コロナが明けてオフラインイベントに参加できるようになったのが2022年の6〜7月頃で、そこで出会った方々に質問したり会話したりする中で、さらに多くのことを吸収できました。
――Snowflakeのコミュニティにも積極的に参加されてきたとのことですが、最初から積極的に動けていたのでしょうか。
いえ、最初はとても不安でした。一番覚えているのは、とあるイベントの懇親会に申し込んだものの、知り合いが誰もいなかったので途中で帰ってしまったことです。それでもコンスタントに参加し続けていると顔を覚えてもらえるようになって、「何やってるの?」と声をかけていただけるようになりました。当時は私が一番若いくらいの年齢だったので、周りの皆さんの優しさに助けられながら、少しずつ輪を広げていきました。
――primeNumberのユーザーコミュニティ、pUG(primeNumber User Group)への参加のきっかけも教えていただけますか。
XでpUGのポストを見て楽しそうだと思い、primeNumberの方にDMで連絡したことがきっかけです。参加し始めた当時はまだTROCCOを契約していない状態でしたが、その後約2ヶ月でTROCCOを導入し、それからはほぼ全てのイベントに参加してきました。今は運営チームの一員として活動しています。
primeNumber DATA CHAMPIONS 2025にも選んでいただき、これからはデータチームを一人で立ち上げた経験を活かして、同じような立場にいる方々の参考になるような情報発信ができればと思っています。

「隣で一緒に仕事をする」がビジネスサイドのデータ活用を加速させる
――御社ではどのようなデータ活用に取り組まれているか教えてください。
現状は合併前のHR Forceの基盤を引き継いでいる状態で、自社プロダクトである「Recruiting Cloud」や、営業・マーケティング活動に必要なデータの整備・活用が中心です。主なユーザーは、求人広告の運用を担うメンバーや、営業・マーケティング活動をしているメンバーです。
――現在のデータ基盤のアーキテクチャはどのような構成ですか。
データ転送はTROCCO、データ変換はdbtを使っています。dbtのジョブ実行もTROCCOのワークフローで動かしているので、データ転送から変換、スプレッドシートへの書き出しまで、最初から最後までTROCCOにお世話になっているような基盤です。現場のメンバーがSnowflake上のデータをTROCCOでスプレッドシートに出力することも日常的に行われています。
――TROCCOを導入された経緯を教えていただけますか。
以前は別のツールを使っていたのですが、データ転送のエラーハンドリングだけで午前中が潰れるような状態で、このままではスケールしないと判断し、ETLツールの導入を決めました。
TROCCOを選んだのは、将来的にビジネス部門のユーザーが自分たちでデータ転送を行ったり、データ基盤からリバースETLを実行したりできるようにしたいと考えていたからです。TROCCOはどちらも対応できる上に操作が直感的で、もともとセールス出身の私と同じようなバックグラウンドのメンバーが2週間ほどで一人で新しいデータソースを転送できるようになっていました。
――データ活用を現場に定着させるために、どのような工夫をされましたか。
大前提として、ビジネスのメンバーは自分たちの課題解決や業務効率化をしたいと考えていますが、ツール自体には興味がありません。ですから「このツールを使ってほしい」と押しつけるのではなく、「彼らが何をしたいか、どんな課題を持っているか」という前提をすり合わせた上で、その解としてTROCCOを提示するような形で進めました。
また「TROCCOを使うと前のステップが増えるけれど、後ろのステップが減らせます」というように、ツールの導入によって手間が増えるわけではないということを丁寧に説明していました。
――ビジネスのメンバーが何をしたいか、どんな課題を持っているかということを理解するために、意識していることはありますか。
一番効果的なのは、彼らの仕事を隣で一緒にやることだと思っています。そうすることで、一見無駄に見える手順が実は重要だったんだ、といったことに気づけます。合理的に最短で課題を解決したいからこそ、第一段階は必要であれば泥臭く一緒に取り組む。そのスタンスを大事にしています。
ビジネスサイドからITやデータ部門が「社内外注」のように見られてしまうと、うまくいかないことが増えます。あくまで同じチームとして一緒にこの課題を解決したいというスタンスを持ち続けることが重要です。
(船井総研ヒューマンキャピタルコンサルティング TROCCO導入に関するインタビュー記事)
合併後の全社展開へ。「困っている人を探す」ことが普及の近道
――今後、データ活用においてチャレンジしたいことを教えてください。
2026年1月の合併により、ビジネスサイドのユーザー数はほぼ倍になりましたが、データチームの人数は変わっていません。まずはデータ活用を新しく加わったメンバーにも広めていくことが直近の目標です。
鍵になるのは「データチームが全部をやろうとしないこと」です。すでにTROCCOを使って自分たちでデータを抽出・活用できるメンバーがいるので、そのやり方を展開していきます。
――新しいメンバーに自分たちで活用したいと思ってもらうにはどうしたらいいでしょうか。
「やるとメリットがある」と感じてもらうことが大前提です。そのために、困っている人や不満を口にしている人を積極的に探しに行くことが早道です。課題を課題として認識していない人に「こうすると良い」と言っても動きにくいですが、「課題はある、でもやり方が分からない」という状態の人にこちらから「これはデータの出番です」と解決策を提示して「これだ」と思ってもらうことが大事かなと思っています。
――ありがとうございました!
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