
2026年4月9日、国内最大級のIT展示会「Japan IT Week Spring 2026」にて、株式会社primeNumberのGeneral Manager of Data Enablement 山下 宗稔がカンファレンスに登壇。
「BtoBマーケティングの進化!AIを活用した組織単位のアプローチ」と題し、従来のリードベースMAが抱える構造的な課題と、それを解決するBuying Groupマーケティングの考え方、そしてprimeNumberが提供するソリューション「primeMarketingAgent」についてご紹介しました。

- 「MAを導入しても商談に繋がらない」課題の本質は「関係者の構造を把握していない」こと
- 組織の構造を理解して会社と商材の組み合わせごとにアプローチする「Buying Group Marketing」
- 既存システムに手を加えることなくBuying Groupを迅速に導入できる「primeMarketingAgent」
- 最後に
「MAを導入しても商談に繋がらない」課題の本質は「関係者の構造を把握していない」こと
セッションの冒頭、山下はBtoBマーケティング担当者が直面する「よくある悩み」を提示しました。
「MAは導入して施策を回しているが商談にそれほどつながらない、という声をお客さまからよく耳にする」と語った山下は、具体的な課題として「マーケから来るリードは信頼できない、と言われる」「長年の運用でMAのスコアリングが陳腐化して手直しも効かない」「商材数が増えてリード管理が煩雑になっている」「ABM(Account-Based Marketing)をやりたいが今のMAでは実現が難しい」といったものを紹介。山下自身が前職のMarketo(現Adobe Marketo Engage)で長年顧客提案に携わってきた経験から、このループに陥る企業を数多く見てきたと補足しました。

こうした課題について山下は「関係者の構造を把握しないまま施策を行っているのが原因」と指摘。「実際のBtoBの購買プロセスは担当者1人で決まることはなく、複数の関係者が必ずグループとして存在する」と説明した上で、購買プロセスの具体的な流れを紹介しました。

SaaSツール導入を例にとると、現場担当者が「これは便利そうだ」と見つけ、マネージャーが「業務改善になるか」を検討し、情報システム部門が「セキュリティは大丈夫か」を確認し、部長が「予算を使う価値があるか」を判断するというのが一連の流れです。このように購買の意思決定に関与する集団が「Buying Group(購買グループ)」であり、Buying Group単位で行うマーケティングが「Buying Group Marketing」です。

組織の構造を理解して会社と商材の組み合わせごとにアプローチする「Buying Group Marketing」
Buying Groupについて山下は「会社と商材の組み合わせ分だけグループが存在する」と説明。A社に対してX商材・Y商材・Z商材を販売しようとすれば、それぞれに異なるBuying Groupが生まれるだけでなく、同じ事業部長がX商材とY商材の両方のBuying Groupに名を連ねる、関わる人物が商材ごとにまったく異なるなど、部門単位でBuying Groupが分かれることもあると説明。
これらの課題を踏まえて山下は「商材が10個あって見込み顧客が1,000社いれば、1万個ものBuying Groupが生まれることになる」との考えを示し、「これをリードベースのMAで管理しようとすること自体に無理がある」と結論付けました。

また、グループ内の各メンバーは同じ関心事を持っているわけではなく、それぞれ異なる視点で意思決定に関わっているため、「グループの内側にある『役割(ロール)』も重要である」と山下は説明。primeMarketingAgentで定義する4つの役割「Economic Buyer(投資判断者)」「Champion(導入推進者)」「Technical Buyer(技術評価者)」「User(利用者)」という考え方を紹介しました。

この分類を踏まえた上で山下は「ChampionだけをHOTにしても、Economic Buyerが動かなければ商談は進まない」と説明。営業が経験する「ちゃぶ台返し」の多くは、この構造を見落としていることに起因していると続け、「逆に言えば、Economic BuyerとChampionがともに温まっている状態でインサイドセールスや営業に渡せれば、短い検討期間での受注が見込める」と、Buying Groupの価値を示しました。

では、こうしたグループ内の役割をどう判定するのか。山下は「役職から推測」「営業にて入力」「行動から推測」という3つの手法を挙げた上で、「どれも一長一短があり、これらを組み合わせながら精度を上げていくことが、現実的な解」と説明しました。

既存システムに手を加えることなくBuying Groupを迅速に導入できる「primeMarketingAgent」
一方、Buying Groupの導入は「導入障壁がとても高い」と山下は指摘。その理由として「一般的にMA側にその機能がない」「機能はあっても費用が高い」といった課題に加えて、「従来のリードベースのMAとは構造が異なり、導入後も常に細かな調整をし続けなければいけない」との理由を示しました。

こうしたBuying Group導入に対する課題を解決するためにprimeNumberが提供するのが、primeNumberが提供するソリューション「primeBusinessAgent」のうち、マーケティング担当者向けソリューション「primeMarketingAgent」です。


primeMarketingAgent最大の特徴は、既存のMAやSFA/CRMに一切手を加えずにBuying Group機能を付加できる点にあります。山下は「primeNumberが2,500社超に提供してきたデータ転送・加工ツールのTROCCOを活用し、既存MAからデータを抽出・処理してBuying Groupを自動生成し、さらに結果をTROCCOで元のシステムに戻すことができる」とその理由を説明。「primeMarketingAgentの利用をやめる場合でも、現行の運用に一切影響しない」と語りました。

primeMarketingAgentの導入フローも紹介。MAと連携する初期設定は手動で行う必要がありますが、それ以降はAIが自動で動作し、商材ごとにBuying Groupを自動構成します。

さらに、ページの意味ラベルとアクティビティを掛け合わせることで、グループ内メンバーの役割をAIが推察することもできます。具体的には料金ページを繰り返し訪問している人はEconomic Buyerと推測し、技術仕様・API連携ページを中心に見ている人はTechnical Buyerと判定する、というロジックです。
AIによる推測が違っていた場合も、営業担当者が画面上から役割を手動で修正・補完することもできます。

機能面では表記ゆれした会社名や役職をAIが自動的に名寄せしてグルーピングする機能、チャートなどを通じてBuying Groupの状態を視覚的に判断できるダッシュボード、条件に該当するBuying Groupを担当に通知できる通知機能などを紹介。

ダッシュボードでは、Economic Buyer・Champion・Technical Buyer・Userそれぞれのスコア分布や時系列推移を視覚的に確認でき、営業担当者はボタン1つで自身が担当するBuying Groupだけに絞り込むことができます。

通知機能では、スコアが閾値を超過する、Economic BuyerがPositiveになったといった設定した条件を満たすBuying Groupが出現した際に、担当インサイドセールスや営業へメールで通知します。また、TROCCOを使ってBuying Group内のリード情報、役割・スコアをSFA/CRMやMAに送信することで、役割ごとにメッセージを出し分けた施策などに活用できます。


スコアの閾値は分布グラフを見ながら画面上で調整できます。「100点以上になったらPositive」という点数ありきではなく、「上位何パーセントに入るスコアをPositiveとするか」という発想でも運用することが可能です。

今後は、組織図ベースでどの部署がBuying Groupにカバーされているかを一目で把握できる機能や、匿名化した統計データを他社ユーザーと共有してAIが施策提案に活用する機能を予定しています。さらに先には、MAやSFA/CRMなど多数のシステムへAIが横断して指示を出す「レベニューオートメーションプラットフォーム」への進化を見据えています。

最後に
山下はprimeMarketingAgentの導入のメリットとして「マーケティング部門にとってはABMの自動実現や商談化率の増加が見込め、導入のハードルも低い」と説明。営業部門にとってもトーク精度が高度化し、受注までの期間も減少するというメリットを紹介。

最後に冒頭で紹介した悩みをひとつひとつ振り返りながら「primeMarketingAgentがこれらの課題を解決できる」と説明、セッションを締めくくりました。

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