AI-ReadyでprimeNumberが目指すデータ活用の未来とは? COMETA PdMとDI室インタビュー

primeNumberは「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える」をビジョンに掲げ、AIが普及してきた現代において、誰もがデータの価値を享受できる世界を目指しています。私たちが考えるAI活用のためのキーワードは「AI-Ready」です。

今回は、CIO(チーフインテグレーションオフィサー)の山本さんとクラウド データカタログ「COMETA」のPdM(プロダクトマネージャー)廣瀬さんにお話を伺いました。primeNumberが考えるAI-Readyとは何か、そしてprimeNumberのサービス「COMETA」にAIがどのように組み込まれているのか、話を伺いました。

AIが当たり前に使える状態へ。primeNumberが考えるAI-Ready

――自己紹介をお願いします。

山本:CIO、共同創業者としてプロフェッショナルサービスを統括しています。また、昨年末に立ち上げたDI室(データイノベーション推進室)も横断で管轄しています。

廣瀬:COMETAのPdMで、プロダクト開発本部のプロダクト企画室に所属しています。

――primeNumberでは「AI-Ready」というキーワードが良く使われますが、そもそもAI-Readyとはどのような状態を指すのでしょうか?

山本:AI-Readyという言葉自体は、内閣府が2018年に設置した「人間中心のAI社会原則検討会議」の中で策定されたもので、シンプルに言えば「AIが当たり前に使える状態」を指します。AIをすぐ利用できるようにデータが整備されている状態と言い換えられるでしょう。

CIO 山本健太

廣瀬:AI-Readyという言葉は形容詞なので、その先に何につながるかで意味合いが変わります。AI-Readyな社会かもしれないし、企業組織かもしれません。primeNumberでは「AI-Readyなデータ、およびデータ基盤」という文脈で捉えています。

――AI-Readyなデータ基盤とは具体的にどのような状態でしょうか?

山本:「綺麗に整理されたデータ環境」というものを要素分解すると、いくつかの特徴があります。まず、品質の高いデータが最新の状態で継続的に更新されていること。メタデータやリネージの情報(データの出所や依存関係など)がしっかり整理され、AIにコンテキストを渡しやすい状態になっていること。そして、アクセス制御やプライバシー、ガバナンスがしっかりしていることも重要です。AIを介して利用者が見てはいけないデータが表示されるようなことがあってはなりません。

――AIを使うには「綺麗なデータ」が必要だと言われていますが、なぜそれほど重要なのでしょうか?

山本:たとえば、DWH(データウェアハウス)に何百万、何千万というレコードがあったとしても、AIが解釈できる量には限界があるので、そのままAIに投入することは難しく、特定の切り口で集計してデータを綺麗にする必要があります。また、データの意味や構造が不明瞭だったりすると、AIがユーザーの意図を誤って解釈したり、不正確な情報や見当違いのデータを提示したりする可能性が高まります。これでは、せっかくのAIも期待した価値を発揮できません。そのため、参照先のテーブルやカラムの情報といったメタデータが整備されていることが、生成AIがデータを正しく解釈し、効率的にDWHから情報を引き出すための大前提となります。

つまりデータが綺麗になっていて解釈しやすく、人に優しい状態がAIに優しい状態であり、これがAI-Readyな状態とも言えます。

COMETAの対話型AIアシスト機能で専門知識がなくてもデータを活用できる環境を提供

――COMETAについて簡単に教えていただけますか?

廣瀬:COMETAは約1年前にリリースした製品で、企業のデータ活用を支援するサービスです。データ基盤を用意しても、事業部のユーザーが「どんなデータがあるのか分からない」という壁にぶつかるケースが多いです。また、SQLが書けない、データに慣れていないといったスキルの問題でデータ活用が進まないこともあります。

COMETAはデータとメタデータを一元管理する機能を提供し、さらに対話型AIでスムーズな活用につなげます。これによって、専門知識がなくてもデータを活用できる環境を提供します。

――企業にAI-Readyをもたらすうえで、COMETAはどのような役割を果たすのでしょうか?

COMETAを導入することで、AIがデータを理解して使えるようにするためのメタデータを自動で集めたり効率的に管理することが可能になります。最近ではセマンティクスというキーワードをよく聞くようになりましたが、データのスキーマを始め、そのデータはどのようなデータかという意味情報やデータ間の関連性の情報などが管理しやすくなり、データを発見・理解することが容易になります。

――COMETAは最近「対話型AIアシスト機能」をリリースしましたが、これはどのようなものですか?

廣瀬:COMETAにはAIを活用した機能群として「COMETA AI」があるのですが、今回の「対話型AIアシスト機能」は対話型のUIで、AIがデータ活用を支援する機能です。現在はベータ版として、AIによるデータ探索やSQL生成をサポートしています。COMETAで管理されているメタデータを参照することで、AIが精度高く回答を返せるのが特徴です。

https://primenumber.com/news/1781

https://youtu.be/P-YB22cf8sY

――「対話型AIアシスト機能」は現在ベータ版ということですが、今後どのような機能拡張が行われていくのでしょうか?

廣瀬:まずは生成したSQLを実行してユーザーの権限に応じてデータを取得できるようにしたり、そのデータを簡単に可視化できるようにして、ユーザーがデータをすぐ活用できる状態にしたいと思っています。

また、COMETAは組織的な導入を前提としたプロダクトなので、組織的にインサイトを管理できる機能も提供できると思います。データ分析したクエリやAIにより得られたインサイトを組織の資産として再利用したり、メンバー間のコミュニケーションを促進する仕組みも考えられるかもしれません。

――「COMETA AI」としては、どのような機能を拡張していきたいですか?

山本:AIエージェントとしてより柔軟にタスクを遂行できるようにしていきたいですね。たとえば、外部データの活用は取り組んでみたいテーマです。市場の公開情報や業界の企業リスト、株価推移などのネット上の情報、政府のオープンデータをはじめとする、DWHにはない情報を取得し、社内データと組み合わせて示唆を出すといった機能が考えられます。

廣瀬:COMETAは構造化データを操作するのが得意なので、オープンデータを取得して、社内データと突き合わせるようなユースケースは相性が良いと思います。

山本:もう一つは非構造化データの活用です。社内のドキュメントやPDFなどで保存されている情報もデータの一部です。ユーザーが知りたいことによっては、DWHよりもドキュメントの方が適切な回答源かもしれません。AIがそれを判断して適切なソースから情報を取得できるようになれば理想的です。

廣瀬:また、AIエージェント間の連携技術も発展していますので、将来的にはCOMETAが他のAIから呼び出されたり、他のAIを呼び出したりするような連携も考えられます。これによってより幅広いユースケースをサポートできるようになるでしょう。

COMETA PdM 廣瀬智史

現場のエンジニアと連携しながら、生成AIなどの先端技術でデータ利活用の課題を解消するDI室

――DI室とはどのような役割のチームなのでしょうか?

山本:DI室は生成AIなどの先端技術を活用し、データ利活用の課題を解消することをミッションとしています。プロダクトだけでなく、ソリューションなどさまざまな出口を見据えながら技術検証やプロトタイピングを行っています。

――「対話型AIアシスト機能」の開発にDI室はどのように関わったのでしょうか?

山本:DI室は初期の仮説検証、つまり持っている課題が本当にAIで解決できるのかを確かめました。

DI室の取り組んだ最初のテーマが「Text to SQL」でした。自然言語でSQLを生成できたら便利だろうという発想からスタートしましたが、初期の検証ではなかなか十分な精度が出ませんでした。その原因を探るうちに、やはり「メタデータがないとAIが正確に機能しない」ということが浮き彫りになったのです。

そこで、精度の高いデータ探索やSQL生成を実現するために、メタデータの自動生成に取り組みました。検証を進め生成できたメタデータは人間にとっても解釈しやすい有用なもので、それだけでも価値のある成果となりました。さらに、AIが生成したメタデータを参照することで実際にSQLの精度が向上することも確認できました。この成果がCOMETAの進化の方向性と合致し、製品への実装へとつながりました。

――プロダクト開発側から見て、DI室の存在はどのように感じていますか?

廣瀬:生成AIの扱いはチャレンジングで、現場のエンジニアが日々の業務の傍らで取り組むのは難しい面があります。そういったミッションを持ったチームがリードしながら技術検証を進めてくれるのは非常にありがたいです。

――今後DI室ではどのような取り組みを進めていきたいですか?

山本:メタデータの自動生成に取り組んできた中で、個人情報の自動検知でも成果が得られたので、こうした技術をソリューションとして展開していきたいと考えています。

また、今後はよりさまざまな業務や業界に特化したソリューションを市場に出していきたいです。たとえば業務別のデータ分析や可視化のテンプレートや、特定のユースケースに特化したデータ活用アプリケーションなどです。これらをさまざまな業界、業務に展開していく開発プロセスにもAIを適用していきます。

――なぜ業務や業界特化型のソリューション開発を重視されているのでしょうか?

山本:その方がより幅広いお客さまに価値提供できると考えているからです。

AI-Readyなデータ基盤を作り、維持するにはデータエンジニアリングの専門知識が必要で、簡単ではありません。そうなると、AI-Readyなデータ基盤の価値を享受できるのは、自社でデータエンジニアを抱えている一部の企業だけになってしまいます。

私たちはデータエンジニアリングのノウハウと、データ×AIのベストプラクティスを蓄積していますので、それをお客さまに還元したいと考えています。専門的なデータエンジニアがいない組織でも、AI-Readyなデータ活用の方法を理解し、その価値を実感できるような仕組みを増やしていきたいと思っています。

廣瀬:弊社自身もAI-Readyな組織を目指しています。開発の自動化を進め、将来的には多くの部分がAIによってコード生成され、人間は組織制度の設計や推進に集中できるような状態にしたいですね。

専門知識がなくても、データを最大限活用できる世界を目指して

――最後に、企業のデータ活用の未来についてビジョンをお聞かせください

山本:私たちが目指しているのは、専門知識がなくても企業のデータを最大限に活用できる世界です。AIが当たり前に使えるデータ基盤を普及させることで、あらゆる企業がデータドリブンな意思決定を行える環境を作りたいと考えています。

廣瀬:COMETAを通じて、AIによる直感的なデータ活用体験を提供し、データの民主化を進めていきたいです。将来的には、さまざまなAIエージェントが連携し、企業内外のデータを統合的に活用できる世界を実現したいと思います。

――本日はありがとうございました!


primeNumberでは今後もCOMETAの機能強化を通じて、企業のデータ活用をさらに推進していきます。COMETAやAI-Readyな組織づくりにご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

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また、自身もDI室で働いてみたいと思った方は、ぜひ下記にてご応募ください。

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カジュアル面談も大歓迎です!

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