
こんにちは!primeNumberです。
今回は2025年3月28日に社内で開催された「上場に向けた内部統制とFP&A(Financial Planning & Analysis、財務計画・分析)に関する勉強会」のレポートをお届けします。
primeNumberではプロフェッショナルサービス本部の若松さんの司会のもと、定期的に勉強会が開かれています。その中の1つとしてこの日はprimeNumberの経営企画として働く田中さんと嶋本さんから、上場、IPOの基礎知識や内部統制の重要性、財務会計と管理会計の違い、社内ダッシュボードの見方について発表がありました。そのポイントをまとめてお伝えします。
上場にはビジネスの成長のみならず内部統制も重要
田中さんからは、IPOの基礎知識から内部統制の重要性について説明がありました。
IPOとは「Initial Public Offering」の略称で、会社が初めて証券取引所に株式を上場し、一般の投資家がその株を買えるようになることです。非上場会社(プライベートカンパニー)の出資者は役員・機関投資家に限定されていますが、IPOで上場会社(パブリックカンパニー)になると、一般の人も株式を購入できるようになります。
IPOのメリットとしては、資金調達力の大幅強化やブランド力・信用力の向上などが挙げられます。また従業員にとっても、ストックオプションによる経済的メリットや社会的信用の向上、キャリアの広がりなど、さまざまな利点があるとのことでした。
そして上場企業になるためには「ふさわしいガバナンス体制の構築が必要です」と田中さん。具体的には「ビジネスの成長」と「内部管理体制の整備・運用」の二つの軸が重要だと語りました。
ビジネスの成長のためには、適切な事業計画や予算を策定し、それを着実に達成すべくPDCAサイクルを回すことが求められます。内部管理体制では、投資家に開示するための数字が正確で網羅的に集計できているかが重要です。そして、その2つを実行するためには「規定やマニュアルの管理や、決算・開示体制の整備・運用が大切です」(田中さん)。
内部統制については、田中さんは「何かを実行する場合、必ず何らかの失敗するリスクが存在し、そのリスクを減らすためのシステム」と説明しました。具体的な目的は「業務の有効性・効率性の確保」「財務報告の信頼性の確保」「事業活動に関わる法令等の順守」「資産の保全」の4つで、上場を目指すprimeNumberは、内部統制を作り込んでいく必要があります。
内部統制は管理部門に委ねられているように思われがちですが、実行・運用するのは現場の一人ひとりです。田中さんは「請求書の稟議申請などは一時的には手間に感じるかもしれませんが、現場の皆さまがその必要性や改善案について考えながら、主体的に組織を運営していくことが重要」だと強調しました。
財務会計と管理会計の違いとは?FP&Aを理解するために重要な基本知識
嶋本さんからは、財務会計と管理会計の違いや、新たに社内で公開されたダッシュボードの見方について説明がありました。
財務会計は主に社外(銀行や投資家、資金提供元)向けの報告に使われるもので、決算短信や有価証券報告書などの資料に利用されます。会社間で比較できるように会計基準というルールに基づき、経理が処理した後に確定した数値を使用します。
一方、管理会計は主に社内(経営者や意思決定者)向けで、経営会議資料や本部内のKPI、決算説明資料、戦略や施策の検討に活用されます。社内で任意に集計され、未確定数値や経理処理なしのデータが使われることもあります。
嶋本さんは財務会計と管理会計のデータフローの違いを図を用いて説明しました。元データが同じソースでも、財務会計数値は必ず経理処理を経由するのに対し、管理会計数値は経理処理を経由しないこともあるため、データに相違が生じることがあります。
処理前後で数値が異なるものとして、「日割り計算」「原価振替」「前払償却」という3つの例が紹介されました。
たとえば、4月11日から契約開始で月額30万円の新規受注があった場合、元データでは4月の新規受注額は30万円ですが、経理処理後の財務会計データでは日割り計算により4月の売上増が20万円、5月の売上増が10万円と分かれて計上されます。また、4月の人件費が100万円かかった場合でも、経理処理で原価40万円、販管費60万円と振り分けられることで、元データと処理後のデータに差異が生じるため、その点を認識したうえでデータを扱わないと判断を誤る可能性があります。
primeNumberは「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える」をビジョンに掲げる企業であり、企業のFP&Aにおけるデータ活用も支援しています。嶋本さんは「営業やマーケティング、開発のメンバーがFP&Aに携わる方と話す際には、この財務会計と管理会計の違いを知っていると、コミュニケーションがスムーズに行くと思います」と、ドメイン知識の重要性を話しました。
ビジネスの現状把握や改善点を把握、ダッシュボードの賢い使い方
続いて、嶋本さんは新たに公開された社内ダッシュボードの見方について説明しました。このダッシュボードはLooker Studioで作成されており、社内の数字を可視化する目的で公開されたものです。MRR(Monthly Recurring Revenue:月間経常収益)やARR(Annual Recurring Revenue:年間経常収益)といった略称については、ダッシュボード内に定義や集計方法を記載しておくことで、誰でも分かりやすい形になるよう工夫されています。
https://note.primenumber.co.jp/n/nc11de105bbc5
(ダッシュボード構築の取り組み等について、上記記事もご参照ください)
これらの指標を活用することで、ビジネスの現状把握や改善点の特定に役立てることができます。嶋本さんは「たとえばLTV(Life Time Value、顧客が企業にもたらす利益の総額)がちょっと上がった時、なぜなのかを分析することで、どういうビジネスアクションが良い結果に結びついているのかを特定することができます」と説明しました。また「他社のデータと比べて高いのか低いのかがわかれば、他社の良い所から学ぼうという話も可能です」とさらなる活用方法も紹介していました。
印象的だったのは、内部統制は現場の一人ひとりが主体的に取り組むことが大切であり、財務指標の理解がビジネスの改善につながるということです。primeNumberは上場に向けた内部統制の整備を進めている最中ですが、このような勉強会を通じて、全社員がIPOの基礎知識を共有し、各自が担う役割を理解することは非常に重要ですね。また、新たに公開されたダッシュボードを活用することで、事業の状況をリアルタイムで把握し、より効果的な意思決定ができると感じました。
今後もこうした社内の知識共有を活発に行いながら、「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える」に向けてチームで邁進していきたいですね。田中さん、嶋本さん、ありがとうございました!