データの力で100+コネクタを実現!山口さんが語るエンジニアリングマネージャーの挑戦(素数ラジオから)

こんにちは、primeNumberです。

primeNumberでは、会社のメンバーや社外のゲストを迎えたポッドキャスト「素数ラジオ」を5月に開始、毎週水曜日に配信しています。

https://note.primenumber.co.jp/n/nd54737c48939

素数ラジオでは前編で仕事の話、後編で趣味や日常の話という2部構成で配信していますが、今回から新たな企画として、前編の内容を取りまとめてnoteでもお送りします。

今回は、エンジニアリングマネージャーを務めるyamakanこと山口さんが、自身が担当するTROCCOのプロジェクト「100+」やマネジメントの楽しさについてお話します。

番組の本編や後編についてはぜひポッドキャストでお楽しみください。

https://listen.style/p/primenumber/7ypeqo0v

https://listen.style/p/primenumber/ykgqed3y

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山口さんの自己紹介とキャリアの歩み

――まずは自己紹介をお願いします。

エンジニアリングマネージャー(EM)をやっている山口です。Headとして複数チームを見ていくのが主な役割になっています。primeNumberの中ではTROCCOのEMとして、コネクタを増やしていくところを担当しており、同時に100+というPJのPOとしてコネクタを増やすために、いろいろSaaSを調べたり、作っていくためのプロセス改善をやっているのが最近のお仕事ですね。

yamakanこと山口さん

――前職でもエンジニアリングマネージャーをされていたんですか?

最後の5、6年はエンジニアリングマネージャーをやっていました。マネジメント経験の方がもう長くなってしまっている感じですね。前職だとデータ事業を立ち上げるところをやっていて、データ事業の中のチームを作っていったり、セキュリティを見てガバナンスをやったりもしていました。

その前はエンジニアとして広告システムを作ったり、ビッグデータのHadoop運用や構築をやったり、結構データを軸にずっと仕事はしてきているなと思います。

――最初からデータに興味があったんですか?

大学でデータのアルゴリズムとか面白いなと思っていたので、データ自体は面白いと思っていました。でも仕事は実は全然そうではなくて、入ってみたら合いそうだからってアサインされたのがたまたま広告事業だったんです。

――そこからずっとデータに携わって、今primeNumberに来ているわけですから、新卒の時の人事の方は見る目があったということですね。

そうですね。やっぱりデータ周りが面白くてデータを軸にずっと動いているなと思います。

――データのどんなところが面白いと思っているんですか?

結局変わらないところにあるのが面白いと思っていて、ソフトウェアを作っていく中でデータって見せ方は変わってもそれがないと何もできない。データをしっかり作っていくだったりとかデータを届けていく。何か改善などをやろうとしてもデータをどうやって集めてくるの、どうやって提供するのっていうのが多分事業の根幹にはあるので、そこができていると広がっていくって面白いのかなと思います。

――転職した経緯やきっかけはどういうところにあったんですか?

大きいのは年齢ですよね。年齢のタイミングと、前職が1社目だったので、同じことをずっとやっていくよりかは自分がやってきたことをいろんなところで試してみたいなっていうのがあります。実際他社でもできるんだっけという自分の興味関心と、実際に試してみて広がりがあればそれだけいろんなことが届けられると思うんで、そういうのをやってみたいなっていうのが大きなところですね。

――弊社ってなかなか知名度がないと思うんですが、どうやって出会えたんですか?

エージェントで紹介されたんですけれど、僕Hadoopを触ってましたっていうくらいデータのプラットフォームをやってましたし、前職でも競合調査でCDataさんだったりTalendさん、DataSpiderさんなど調べることがあったので、TROCCOっていう名前自体は知っていました。

エンジニアリングマネージャーの役割とは

――エンジニアリングマネージャーってそもそも何をしているんですか?

MCを務める広報の村島さん

僕の中では大きく4つの役割があって、ヒューマンマネジメントっていうエンジニアチームをどうやって育てていくのかとか、メンバー育成するっていうのが1つの役割。残りの3つがプロダクトマネジメント、テクノロジーマネジメント、プロジェクトマネジメントです。

プロダクトマネジメントは、PdMが何を作りたいかに対して、どうやって実現するのかってやっぱりエンジニアのアイデアだったりとかクリエイティブなので、そこをチームとリードしていく。実現する中でどんな技術使うのっていうテクノロジーマネジメントだったりとか、各やりたいものをしっかりと届けるプロジェクトマネジメントという4つのマネジメントをやっていくのがEMかなと思っています。

――マネジメント自体が結構好きなんですか?

面白いと思いますよね。自分が手を動かしてものを作るのも面白いなと思うし、エンジニアをやっていたのにやりたいなって思う時もあるし、離れてしまったのでできないなっていう思いもあるけれど、やっぱりそこをちゃんと届けていくとか、仕組みができていって前に進んでいるっていうのがわかる感触っていうのは面白いなと思っています。

――エンジニアの方だと専門性を極めていくのか、マネジメント方向に進んでいくのかでキャリアを悩まれる話もよく聞きますが。

ぐるぐる回った方がいいなと思うので、技術がわからなくなるとか、距離が離れすぎるとやっぱりマネジメントができなくなるところはあるので、そこをどうバランスとるのかっていう難しさはありつつも、一方でマネジメントが広がっていけば広がるほど大きなことを届けるっていうことができるなと思うので、そこはそれで面白いと思います。

――一人で作れるものよりも、いろんな人を巻き込みながら作れるものっていうのは影響範囲が大きいですね。

そうですね。これがAIで出てくると自分自身がAIを使っていくとかできなきゃいけないと思うので、そういうのは技術をキャッチアップしていくのは大切になるかなと思います。

AIとマネジメント:新しい時代の働き方

――マネジメントでAIって使うんですか?

全然使えますよ。資料を作ったりとか考えを整理するっていうのはすごい良いものだと思っていて、自分の考えっていうのは固まってる視点があったりするので、より多角的な視点があったほうがいいので、自分はこういうふうに思ってるんだけれど、批判的に見たらどうなのとか、そういうふうに対話をしながら固めていくものもあります。

よりモヤっとしたものを解いていかなきゃいけないので、ちょっとモヤっとしてるんだけどどっからステップ行こうかなとか、ここまでは考えてみたんだけど、このアプローチどう? とか対話するっていうのはありますね。

――最近AIを使ったユースケースで面白かったものはありましたか?

社内の事例は結構面白いのがいっぱいあるなと思っていて、自分の仕事を奪われるなって本人は言っているけれど、その中でもAIを使ってどうやって楽にしていくのかっていうのはすごい面白い取り組みだと思います。

――私自身はAIがいると私が必要なのかって思う瞬間があるんですけれども、エンジニアでもそういうことってあったりするんですか?

多分それは自分がどういう立場にいるのかっていうのを考えた方が良くって、じゃあディレクターがいらなくなるかって言うと多分ディレクターはいると思うんですよね。

最終的にジャッジするのっていうのは、AIが作ったものを受け入れるっていうやり方もあれば、それを享受するだけでいいのか、自分が表現したいものがAIが表現してくれるのかってやっぱ違うと思っていて、そこの表現したいっていうアウトプットまでを速くしてはくれてるけれど、あくまでもアウトプットを速くしてるだけだなと思います。

データ活用っていうところでも多分同じで、データが答えを出してくれることはないんですよね。あるのは自分が持っている仮説が固めるためにデータがある。

もしくは自分の仮説に合うようにデータを出すんじゃなくて、客観的にデータを使ったときに自分の判断が補助できるかどうかっていうのが重要になるし、多分データをうまく使っていくとかAIをうまく使っていくと、今までは10個の選択肢あったものが同じ時間で3つまで絞れるとか、そういうのを早くできることっていうのが一番効果なのかなと思います。

――AIとかITに仕事が奪われるみたいな話はありますけれども、人っていうのは重要っていうところは続いていくんですね。

そうですね。やっぱりここってずっと変わってきてないんだと思うんですよね。やっぱりリードして考えていく人は残り続けるのかなと思います。

プロジェクト100+:コネクタを大量生産する挑戦

――プロジェクト100+について教えてください。

TROCCOの根幹というかベースな機能であるコネクタで、機能としてデータをつなぐというところが重要なのですが、ここを強化・拡充してつながっているSaaSだったりとかデータベースとかいろんな機能とつないでデータを転送できるようにしていくっていうのを100個以上拡充するぞ、100個以上に伸びるように頑張っていくぞっていうようなプロジェクトです。

――1年間で100個以上だから月あたり8、9個ずつですね。これまでのスピードと比べると段違いですよね。

だいたい1個のコネクタを作ろうとすると接続先を調べていったりとか、それをどういう作り方をするとかって考えたりとか、2ヶ月くらい検討からリリースまでかかるかなと思うので、その期間っていうのがどうやって短縮していくのかっていうのが1個大きなポイントでした。

――その短縮自体にもyamakanさんが関わってらっしゃったんですか。

短縮もいくつかのポイントがあって、1つは短縮できるような基盤を作っていくとか自動化の機能を作る。これは今のエンジニアのチームがずっと考えてきて去年作ってきたっていうところがあって、それとは別にこの基盤をうまく使うためにプロセスをよくする。どちらかというと僕の役割はプロジェクトマネージャーなので、全体の入り口から出口までっていうプロセスをどうやって早くしていくのかをフォーカスしてやったりはしてます。

――ここは苦労したなみたいなポイントとかあったんですか。

ありますが、でも個人的には普通のことをやりましたね。プロジェクトマネージャーについてやっぱり型はあるし、やり方はあったりはするんですけれど、一番わかりやすいのは自分たちがどういうプロセスで出していくのかというクリティカルパスを出してみるっていうのをまずやる。

今回100+って結構面白いプロジェクトで、コネクタを同じように繰り返し出していくプロセスっていうのはどうやったら最適なプロセスになるのかって考えたり、クリティカルパスを作ってみて、ここのプロセスってうまくいくのか、いかなかったらどっかボトルネックなのかって潰していくようなところが面白いです。もちろん簡単ではないんですけれど、短期的にフィードバックが得られるんでやりやすいプロジェクトなのかなと思ってます。

――入社してくるときにこのプロジェクト100+があるって聞いて入社してきたんですか?

いやいや、僕が採用面接受けてた時には、まだそのプロジェクトなかったと思うので、聞いたタイミングは面接とかの後ですね。前職を辞めてから入るまでの期間がちょっとあったので、この間に何回か顔合わせとかしていて、その間にこういうことやっていただくよってお願いはありました。

――入社する前にこういうプロジェクトやるよって言われたときは、どんなふうに思ったんですか?

まあプロジェクトなんでやればいいかなぐらいですね。決まってるものがあればいいなとか、プロジェクトって言われてるからなんかあるんだろうなぐらいと思ってました。

――すごくプレッシャーもあるお仕事だと思うんですが。

そこはありますよね、入った瞬間はやっぱり最初に立てられた目標値とか期間ごとのスパンによっていついつまでここまで出そうみたいなゴールはあったんですけど、そのゴールは絶対無理ですっていうのはあって最初の仕事はそれを説明に行くとかは入ってすぐにやったので、それは結構プレッシャーあったなーって。

――入社していきなり、それは達成できないと思いますっていう調整から入るのはハードルが高いですね。

ハードルはありますが、でもそこはやってよかったし、やっぱりそこをちゃんと説明して、でもこういうリカバリープランでいくんで、進めましょうっていうのは理解して進めてきて、そこからうまくいったもの、うまくいかないものとありつつも、そこは正常に回ってはいるかなと思います。

――リカバリープランを出すっていうところが大事なんですね。

多分できないですとだけ言ってもやっぱり進まないので、できないです、でもこういう方法だったらできますとか、ここまではまずやっていって、この間に次の手を考えるんで時間くださいとか、結構何をやりたいのかっていうのを言わないとなかなか進まないかなと思います。

最近のコネクタ実績とユーザーからの反響

――最近作ったコネクタで、yamakanさんの一押しってどれですか?

100+プロジェクトって2つ意味があって、全体で作っていくっていうところと、100+プロジェクトで回して動かしていくっていうところがあるんですけれど、全体の方で印象的だなと思っているのは、転送先の広告向けカスタムオーディエンス機能を連続して出したことですね。

自分の前職でも広告やっていたりとか、よく使うニーズだよなって理解している中で、これを100+の作り方ではなく従来の作り方でやっていただいて、それをちゃんと出せたっていうのは重要な部分でよかったです。もう1つは最近だと一番使われているスマレジさんとかすごい良いなと思っています。

最近の新しいSaaSだとAPIドキュメントが整備されてるなどつなぎやすくなっているし、そういうのがちゃんとつながってきて、結構ユーザーに聞いてみると、これあったから使いましたよとか、これなかったんで転送元HTTPっていう機能で作ろうと思っていたけどコネクタが出てよかったとか、こういうフィードバックがあるとすごい良いなと思っています。

――実際にお客さんの役に立っているんだなという実感がフィードバックを通じて得やすいですね。

そうですね、本当に最近いろんなところのフィードバックもらっていて、中には100+はちょっと気合い入りすぎでしょとか、本当に100も出してるんですかとか、明らかにおかしいペースで出てるんですけど大丈夫ですかっていうのは、ある種応援とちょっと心配と混じった声が出てきてるなと思いつつ、そういうのが見られるっていうのがすごい重要かなと思っています。

――スマレジのコネクタとカスタムオーディエンス機能が、具体的にどんな風にお客様に使われているか教えてください。

スマレジってレジシステムなので、レジの在庫管理って結構あると思うんですけど、多分それだけでやっていくとオフラインのレジ情報はあるんだけど、オンライン情報はなかったりします。

使っていただいている企業にもよると思うんですけれど、スマレジにだけ使うのではなく、オンラインとオフラインと販売しビジネスでやる方って増えてるなと思っていて、いろんな売り方が商流としてもあると思うんですよね。そういうのを統合できるとか分析したいっていうニーズに対して、その中でコネクタがあると一旦データが集められるので、集まったら分析に活用できるよっていうのが一つ大きなポイントかなと思います。

カスタムオーディエンスはもう本当に広告ターゲティングのための機能で、オーディエンスリストを連携することによって、より効果的な広告を配信できます。今までだと提供していたのはFacebookさんだったりとか、何社かしかなかったんですけど、そこをちゃんとGoogleさんとかYahooさんとかLINEさんとか、それぞれの会社さんが増えていくってことによって、いろんなマルチチャネルで広告配信ができるようになってくるっていうのはすごい重要かなと思います。

――いろんなお客様のいろんな形の課題を解決するためにも、やっぱりコネクタ自体が増えていくっていうことはすごい重要ですね。

そうですね。そこの部分をどういう順番で考えるのかって結構難しくて、そここそPdMとうまく連携しながらやっていったりとか、優先度を考えながらやっていくっていうのが、多分マネジメントのところで重要かなと思っています。

好きな8 ElementsとprimeNumberの文化

――好きな8 Elementsとその理由をお伺いしたいんですが。

そうですね。対話を力にするっていうところと、プロダクトを信じるっていうのは結構いい言葉だなと思っています。やっぱりプロダクトを提供している会社ではあるので、自社のプロダクトをちゃんと理解して提供していったりとか、そのプロダクトの一人一人が解像度を上げてやっていくっていうのが重要かなと思っています。

その解像度を上げるのっていうのを一人で全部勉強していくっていうのは大変だったりとか理解するって難しいので、それをPdMと僕が今連携してやっている部分でもありますが、いろんな人と対話しながらいいものを作ってくるし、作った結果をユーザーに届けてみて、フィードバックをもらっています。そのフィードバックも対話の力として活用しながら育っていくっていうのはすごいいい言葉だと思っていて、そういうのができているっていうのがいいなと思っていますね。


ラジオ収録を終えて by yamakan

 普段あまり表で話した事がないことを結構話してますね。実際にデータ活用自体は当たり前になってきてはいるものの、まだまだ市場全体ができてるわけではないと思います。LLMが進んできても結局は自社が持つデータをいかに活用できるかがポイントにはなると思うので、まだまだデータ領域の面白さはあると思ってます。

 自分で聞き直しての感想ですが、プロダクトの状態やプロジェクトの状況などわかる人向けの説明になってしまっていて、所々わかりにくい場所があり申し訳なかったです。気になる部分あれば聞きに来てください。100+のプロジェクトとかもう少し見たいよという方はこちらを読んでください。

https://speakerdeck.com/kanyamaguc/connect-100-plus-wozhi-eruji-shu


山口さんが牽引するプロジェクト100+は、TROCCOの可能性を大きく広げ続けています。データとAIが当たり前の時代だからこそ、人の判断力と対話の力がより重要になる。山口さんの取り組みは、そんな未来への道筋を示してくれています。

番組の本編や、山口さんが趣味について語った後編についてはぜひポッドキャストでお楽しみください。

https://listen.style/p/primenumber/7ypeqo0v

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