
こんにちは、primeNumberです。
primeNumberは「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える」というビジョンを掲げ、日頃からデータ活用の裾野を広げる活動にも取り組んでいます。大学との共同研究や、講義の提供はその一環です。
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今回は横浜国立大学での講義活動について、プロダクトマーケティングマネージャー(以下PMM)の鈴木大介さんとデータアナリストの小宮山誉人さんにお話を伺いました。primeNumberで日頃から企業のデータ活用を支援する実務家の2人が、学生たちにどのような学びを提供しているのか。その取り組みについてご紹介します。
LLMなど技術の急速な変化に対応して講義を構成
――まずは簡単に自己紹介をお願いします。
鈴木:私はPMMとして、自社のプロダクトをご利用いただくみなさまのために、どういった機能を開発していくか、どのようにお客様に価値をを提供していくか、そしてプロダクトの提供を通してどのように事業を伸ばしていくかということに取り組んでいます。
小宮山:私はプロフェッショナルサービスを提供するデータアナリストで、自社のクラウドETL「TROCCO」を利用したデータパイプラインや、BIツールによるダッシュボードの構築などを通して、お客様のデータ活用の支援を担当しています。
――今回の講義プログラムはどのような内容だったのでしょうか?
鈴木:主な対象は横浜国立大学の経営学部DSEP(データサイエンス教育プログラム)の3年生ですが、DSEP以外の学生も多く参加していました。
「実務家と学ぶデータサイエンス」という講義名称なので、受講生はデータに興味がある学生たちになりますが、文系学部の所属なのもあって、Pythonなどを使いこなせる人から、技術的にはあまり経験がない人まで、幅広いレベルの学生がいました。
講義は今年で3年目になります。去年から、primeNumberのみならず他社とも共同で講義を実施しています。昨年まではSQLを中心とした技術習得にやや比重が大きくありましたが、今年はSQLの学習にかける時間を減らす形に構成を変え、「ツールを使うことを通してデータ活用の要点を掴む」というコンセプトに変更しました。
SQLをはじめとする具体のスキルはもちろん大事ですが、今はLLM(大規模言語モデル)を使えばそれなりの質のコードを作成できます。そのため、SQLを書けるというスキルそのものよりも、「目的を設定し、データ活用の流れを考えて、それを組織的に実現していく」という大枠の設計ができることの重要性が高まっています。ツールを使って実現したい世界観は何なのか、どういう使い方をするとうまく活用できるのかという勘所を伝えることが大切なのではと考えました。
――講義内容も技術の進化で変わっていくのですね。
鈴木:そうですね。近頃は特に急速な変化を感じています。講義全体としてLLMはさまざまな観点で取り上げていましたが、10月初旬の初回講義から終盤の1月の講義までの短期間でも、内容が大きく変わったんです。2024年の年末にはAIエージェント関連の発表やリリースが多くあり、講義でもその動向について取り上げていきました。AIにどうデータを効果的に取り込むかは、今後重要になってくるテーマになるからです。
技術を身につけることより「何のために作るのか」を考える場
鈴木:私たちは「技術を身につけることが目的ではない」ということを繰り返し伝えていました。たとえば自分が面白いと思うダッシュボードを作るのも一つの成果ですが、組織の中で誰かにダッシュボードを使ってもらって事業成果を出すためには超えるべき壁が多くあります。データ活用を通じて事業の成果を上げるために、何を目的として、どういう進め方で何を作るのか、技術的な観点と実務的な観点を兼ね揃えた本質的な問いを常に投げかけていました。
これは、受講している学生たちが文系学部の所属であることも意識しています。自分がデータ活用を技術的に進められることはできれば望ましいですが、データ活用の勘所とデータの専門家とコミュニケーションが取れる言葉を持っておけば、自身が中心になってチームとして取り組みを進めていくことができます。そのために、「なぜそれをするのか」を考え続けることが重要なのです。
――小宮山さんは24卒で入社されていて、primeNumberの中では最も学生の気持ちが分かるのではないかと思います。そういった立場から、この取り組みをどう感じますか?
小宮山:最近ではデータサイエンス学部が数多く新設されるなど、大学でデータサイエンスを体系的に教える場面をよく見かけるようになりました。データサイエンス協会によれば、データサイエンティストに必要な3つのスキル領域は「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」と定義されている(※)のですが、本講義では3つを網羅しつつ「データエンジニアリング力」についても厚く取り扱っているという点で、新鮮さがあると感じています。
私自身、学生時代はデータサイエンスを専門に勉強していましたが、primeNumberでインターンをして初めてデータエンジニアリングについての理解が深まりました。というのも、大学でデータ分析をする時は、整ったCSVデータを渡されてローカルPCで分析する場合が多かったんです。でも、実務では運用中のシステムから必ずしも綺麗でないデータを取得し、整えながら事業に活用していく必要があります。そうしないと、得られる結果の精度も変わってしまうからです。こうした実務的な側面を学べるという点が、今回の講義の特徴ではないでしょうか。私はインターンシップを通じてこうした実務的な側面を知り、アウトプットの品質を担保するエンジニアリングの重要性を痛感したので、この分野に進むことを決めました。
実務で使えるデータ活用を他大学にも広めたい
――来年度に向けた意気込みはありますか?
鈴木:こうした講義をパッケージ化して、他大学等に展開していきたいという気持ちがあります。データ活用の中でも、データエンジニアリングのコア領域やコンセプトは少なくとも5年程度は大きく変わらないと考えているので、この部分だけでもパッケージ化できれば価値があることだと思います。一方で、LLMなどの技術動向に合わせてコンテンツは変わり続けます。最新動向をどう取り扱うのかは頭を悩ませる問題になりますが、基本的な部分はパッケージ化しつつ、技術の変化にあわせてカスタマイズしていければと思います。
小宮山:講義をパッケージ化するというアイデアはワクワクします。ただ、それに見合う講義内容にするため、技術の進展が著しい中でもベースとなる部分をきちんと整理して伝えられるよう、クオリティをさらに高めていきたいです。
primeNumberでは今後もこうした産学連携の試みを通じて、データエンジニアリングを始めとするデータ活用の意義を伝えていきます。ご興味のある学校の方はぜひご連絡ください。